指導と評価の一体化 ~言語活動の改善を通して~

なぜ「指導と評価の一体化」が必要なのか

近年の学習指導要領(文部科学省, 2017)では、
「知識・技能」「思考・判断・表現」「学びに向かう力」
という三つの資質・能力の育成が明確に示されています。特に外国語科では、「目的・場面・状況」を意識した言語活動を通して、実際のコミュニケーションに使える力を育てることが求められています。

さらに、2020年度からの評価の改善により、授業で育てたい力と評価で確かめる力を一致させる『指導と評価の一体化』が、より重要となりました。評価は“結果をつけるため”のものから、“学びを伸ばすため”のものへと役割が変わりつつあります。

そのため、
「どんな言語活動をさせるのか」
「どのような力を見取りたいのか」
これらをセットで考えることが、英語科の授業改善に直結する時代になりました。

指導と評価の一体化の基本概念

目標・評価・指導の三位一体

授業の設計では、はじめに「単元のゴール(到達点)」を定め、次に評価方法を考え、最後に授業計画を作ります。
いわゆる 逆向き設計(backward design) です。この「単元目標」の設定は必須です。この単元目標に向けて単元計画を立てるようにしましょう。

英語科の評価観点は以下の3つ:

  • 知識・技能:語彙・文法・発音・技能
  • 思考・判断・表現:目的・場面・状況に応じた深い表現
  • 主体的に学習に取り組む態度:粘り強く学ぶ姿勢、学習の調整

これらの観点が自然と評価できるよう、言語活動をデザインします。

この3つの観点を端的にまとめた表がこちら。

出典:https://www.nits.go.jp/materials/youryou/files/058_001.pdf

主体的に学習に取り組む態度

評価を見取るときに結構苦労するのは、この「主体的に学習に取り組む態度」ではないでしょうか?皆さんの悩みとしては、

  • 態度をどのように数値化するのか?
  • 提出物(副教材として購入してもらっているワークブック、ノート等)で評価をしてはだめなのか?
  • 評価材料がほかの観点よりも少なくなってしまう。

などの悩みが多いのではないでしょうか?私も最初、「提出物が評価材料にならない!?」と戸惑っていました。

主体的に学習に取り組む態度の評価材料例

私は基本的には、「単元末に行うパフォーマンステストの結果」と「同じ評価」をだすように心がけています。考え方は以下の通り。

単元目標に向かって授業を展開しています。大部分の授業で言語活動を行い、立てた単元目標に向かって生徒を指導(誘導)します。その言語活動は基本的には「記録に残さない評価」としますが、生徒の活動をみてパフォーマンステストの微調整や、次時の授業の言語活動の微調整を行います。そして、単元末にパフォーマンステストを行います。このパフォーマンステストの結果は、これまでの授業に「どのように授業に臨んだのか」イコールだと私は思っています。だから、主体的に学習に取り組む態度は「粘り強く」や「学習の調整」が大切なんです。日々の言語活動がうまくいかなければ「粘り強く」活動に取り組む必要があるし、「学習を調整」しなければいつまでたっても現状を改善できません。少し乱暴に思えるかもしれませんが、単元末のパフォーマンステストの「思考・判断・表現」の結果イコール「主体的に学習に取り組む態度」と考える理由です。しかし、授業者は「よく生徒を観察」し、「適切な指導」を行うことが前提条件です。教師が何もしていないのに「パフォーマンステストの結果=主体的に学習に取り組む態度」と生徒や生徒の保護者に説明しても説得力がなく、クレームになります!日々の授業を大切に、教材研究をがんばりましょう!!!!!(忙しいからこれが一番難しい。)

言語活動とパフォーマンステスト

「パフォーマンステストの結果=主体的に学習に取り組む態度」にするために大切な考え方がもう一つあります。それは、「パフォーマンステストの内容は日々の授業を受けていればB評価が取れる!」ということです!!この考え方は本当に大切です!いわゆる、「指導と評価の一体化」→「指導したことを評価する」スタンスを崩してはいけません。このスタンスを崩すと、「パフォーマンステストの結果=主体的に学習に取り組む態度」の理念が崩れていきます。説得力がなくなり、生徒や保護者からクレームがくると説明することがむずしくなります。そのため、必ず「パフォーマンステストの内容は日々の授業を受けていればB評価が取れる!」を大切にしましょう!!

まとめ

今回の記事では、「指導と評価の一体化」をテーマにしました。私が授業をするとき、結構意識することですが、同僚があまり意識していない感じがします。

  • 「単元のゴール(到達点)」を定め、次に評価方法を考え、最後に授業計画を作る
  • パフォーマンステストの結果=主体的に学習に取り組む態度
  • 指導と評価の一体化」→「指導したことを評価する
  • 「よく生徒を観察」し、「適切な指導」を行う

以上のことを考えながら授業設計をしています。1学期からこのスタイルで授業をすると生徒も「単元目標の大切さ」を認識するようになります。教師の授業づくりの理念を生徒が理解できていると正の波及効果が生まれ、授業に活気が生まれますよ!!最後に、「指導と評価の一体化」のバイブルは以下の資料です!国立教育政策研究所が作成している資料なので、まだ見たことがない先生方は必ず目を通しておく必要があると思います。学習指導要領の開設とこの書籍を読み込んでみてください!!



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