私はこう使っています

― 英語教師としてのChatGPTとの付き合い方(実践編)―


これまでの記事では、
AIは英語教師の敵でも万能な存在でもなく、
教師を「設計者」に戻してくれる道具であること、
そして
AIに任せていい仕事/任せてはいけない仕事の判断基準
について整理してきました。

では、実際の現場ではどうなのか。
「で、結局どう使っているの?」
そう感じた先生も多いのではないでしょうか。

この記事では、
私自身が英語教師として
ChatGPTをどのように使っているのかを、
実践例を交えて紹介します。


ChatGPTを使い始めた理由

私がChatGPTを使い始めた理由は、
実は英語の授業そのものではありません。

最初は、
学校行事を運営するためのアイデア出しの場面で
とても便利だと感じたことがきっかけでした。

行事に使う画像を生成したり、
レイアウトや構成を考えたりする中で、
「この思考の整理の仕方は、英語教育にも生かせるのではないか」
と感じるようになりました。

最初は画像生成など、
視覚的な部分での活用が中心でしたが、
次第に
英語教育の場面へと使い方が広がっていきました。


ChatGPTを使って「助かった」と感じた場面

実際に使ってみて、
特に「助かった」と感じているのは次のような場面です。

  • 単元目標を設定するとき
    └ 何をゴールにするかを考える際、思考を整理する助けになった
  • 生徒が書いた英文を訂正・コメントするとき
    └ どこをどう伝えるか迷ったときに、考える材料をもらえた
  • ルーブリック作成や、B評価像・A評価像の案出し
    └ 評価の言語化をする際の叩き台として役立った

いずれも、
判断そのものを任せているわけではありません。
考えるための材料をもらっている、という感覚です。


実際の使い方①

生徒が書いた英文を訂正するとき

私が特によくChatGPTを使っているのが、
生徒が書いた英文を訂正・コメントする場面です。

生徒の英文に対して、

  • 正解をそのまま出させる
  • 完成形を提示させる

といった使い方はしていません。

代わりに、

  • どこを良い点として伝えるか
  • どこを直すとよいか

を整理するために使っています。

最終的に
どのコメントを返すかは、自分で判断します。

ChatGPTは、
コメントを書くための「補助線」を引いてくれる存在です。


ChatGPTに質問するときに、私が意識していること

ChatGPTを使うとき、
私は次のような点を意識しています。

  • 最初に「あなたは英語教師です」と役割を伝えること
    └ 教師の視点で考えてもらうためです。
  • できるだけ具体的に質問すること
    └ 学年や目的、場面を伝えることで、
    使える答えが返ってきやすくなります。
  • 一度の質問で終わらせず、納得いくまでやり取りすること
    └ そのまま使う答えを求めるのではなく、
    自分の考えを整理するために質問を重ねています。

このように、
ChatGPTには「正解」を求めているわけではありません。
考えるための材料を出してもらっているという感覚で使っています。

まだ手探りな部分もありますが、
今のところはこの距離感が一番しっくりきています。


ChatGPTに任せていないこと

一方で、
私は次のことをChatGPTには任せていません。

  • 学習のゴール設定
  • 評価基準の決定
  • 成績や評価の最終判断
  • 生徒への最終的な声かけ

これらは、
教師としての責任が発生する仕事だからです。

AIは答えを出すことはできますが、
その判断に責任を持つことはできません。


ChatGPTを使って感じていること

ChatGPTを使うようになって感じているのは、
仕事が「楽になった」というよりも、
考える余裕が生まれたという感覚です。

  • 一人で抱え込まなくてよくなった
  • 思考を整理するスピードが上がった

その結果、
生徒や授業そのものに向き合う時間を
確保しやすくなりました。


これから使ってみたい先生へ

ChatGPTは、

  • 使わなければならないもの
  • 正解を出してくれる存在

ではありません。

あくまで、
教師の判断を支えるための道具です。

最初は、

  • 例文を出させてみる
  • コメント案を整理させてみる

その程度で十分だと思います。


まとめ

  • ChatGPTは判断を代わりにしてくれる存在ではない
  • 教師の思考を整理するためのパートナー
  • 最終的な判断と責任は、常に教師にある

AIをどう使うかよりも、
どう判断して使うかが大切です。