目次
まず、何が変わろうとしているのか
~新しい学習指導要領(素案)を「全体像」から読む~
※注意書き
※本記事は、学習指導要領(素案)を現場の教師の目線で整理する試みです。
公式見解や結論を示すものではなく、一つの読み取りとしてお読みください。
「結局、何が変わるのか?」が一番わかりにくい
新しい学習指導要領(素案)が示されると、
多くの教師がまず気になるのは、
- 今までの授業は通用するのか
- 何かを変えなければならないのか
- 評価や指導はどうなるのか
といった、具体的な影響だと思います。
ただ、素案を読み進めていくと、
こうした問いに対して、
すぐに答えが用意されているわけではないことにも気づきます。
むしろ今回の素案は、
「何をどう変えるか」を直接示すというより、
考え方の前提を少し動かそうとしている
そんな印象を受けます。
現行との違いは「内容」よりも「書きぶり」にある
現行の学習指導要領と比べたとき、
まず目につくのは、
新しい制度や用語の追加ではありません。
それよりも、
- 表現がより抽象的になっている部分
- 方法を指示するより、方向性を示す言い回し
- 一つの正解を示さない書きぶり
といった、文章のトーンの違いが目立ちます。
これは、
「内容が大きく変わった」というよりも、
学習指導要領をどう位置づけようとしているのか
という点に関わる変化だと読み取れそうです。
「何をするか」より、「どう考えるか」へ
素案全体を通して感じるのは、
授業方法や指導手順を細かく規定するというよりも、
- 学びをどう捉えているのか
- 子どもをどんな存在として見ているのか
- 教師の判断をどこに置いているのか
といった、前提となる考え方が強調されている点です。
これは、
「すぐに何かを変えなさい」というメッセージというより、
「これからどう考えていくかを共有したい」
という呼びかけに近いようにも感じられます。
全体像を押さえずに、細部を見ると混乱する
評価はどうなるのか。
授業はどう変えるべきなのか。
こうした問いは、
現場に立つ教師として、当然の関心事です。
ただ、今回の素案に関しては、
これらを最初から個別に考えようとすると、
かえって読みづらくなる印象があります。
まずは、
- 学校教育をどんな方向に導こうとしているのか
- 学びをどのように捉え直そうとしているのか
といった全体像を押さえたうえで、
各論を見ていく必要がありそうです。
この連載では、「今との違い」だけを拾っていく
この連載では、
学習指導要領(素案)をすべて解説することはしません。
- 網羅しません
- 正解を示しません
- 良し悪しも断定しません
代わりに、
現行の学習指導要領と比べたときに、
「ここは今と違う」「ここは変わりそうだ」
と感じられる点だけを拾い上げていきます。
それは、
現場の教師が判断するための材料を、
少しずつ増やしていく作業だと考えています。
次回は、「目標・資質能力」から見ていきます
次回は、
学習指導要領の中でも
もっとも根本にある、
「学校は、どんな力を育てようとしているのか」
という点について、
現行との違いを整理していく予定です。
素案を読む中で、
最初に押さえておきたい部分でもあります。
おわりに
新しい学習指導要領(素案)は、
「すぐに変えなければならないこと」を並べた文書というより、
学校教育の考え方を、少し更新しようとする試み
として読むことができそうです。
その変化をどう受け止めるかは、
現場の教師一人ひとりに委ねられています。
だからこそ、
焦って結論を出す前に、
まずは「何が変わろうとしているのか」を
落ち着いて眺めてみる。
この第1回が、
そのための入口になればと思います。


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