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― 英語は語順が命の言語
英語の授業で「that節」という言葉を聞いたことがある人は多いと思います。
学校文法では一般的に
that節=名詞節
と説明されることが多いですが、この説明だけでは
なぜ英語に that が必要なのか
という部分が見えにくくなります。
その理由は、英語の根本的な特徴にあります。
それは
英語は語順が命の言語である
ということです。
この記事では、that節を
「英語の語順」
という視点から整理していきます。
『英語は語順が命』の言語
英語の文には基本的な語順があります。
S + V + O
例えば
I like music.
この文では
I(主語)
like(動詞)
music(目的語)
という順番で並んでいます。
もし語順を変えるとどうなるでしょうか。
Music like I.
これは英語として成立しません。
英語では
語順そのものが文の構造を決めている
からです。
日本語は語順が比較的自由
一方、日本語は語順が比較的自由です。
例えば次の文です。
私は
彼が優しいと
思う
この文は次のように並び替えても意味が通じます。
彼が優しいと
私は思う
私は思う
彼が優しいと
これは日本語には
助詞(は・が・を・と)
があり、それが役割を示しているからです。
しかし英語には、このような仕組みがありません。
そのため
語順が非常に重要な役割を持つ
ことになります。
英語は「文」を目的語として使える
次の文を見てみましょう。
I think that he is kind.
think の後ろには通常
目的語
が来ます。
例えば
I think this.
I think the idea.
このように名詞が置かれます。
しかし英語では
一つの文
をそのまま目的語として使うことができます。
he is kind
という文が
think の目的語になっているのです。
つまり
I think that he is kind
という構造は
I think this idea
と同じ位置に
文が入っている
と考えることができます。
that の役割は「文のスタートを示すこと」
ここで重要なのが that です。
英語は語順が命の言語です。
もし that がなければ
I think he is kind.
という形になります。
この文も実際にはよく使われますが、文が長くなると
どこから新しい文が始まるのか
が分かりにくくなることがあります。
そこで英語では
that
を使って
「ここから文が始まります」
という目印を示します。
つまり that は
文を導く接続詞
として働いています。
that は接続詞である
that節の that は
接続詞(conjunction)
です。
接続詞とは
語と語
文と文
をつなぐ働きをする言葉です。
例えば
I like apples and oranges.
この and は接続詞で、二つの語をつないでいます。
また
I was tired, so I went to bed.
この so は二つの文をつないでいます。
同じように
I think that he is kind.
という文では
I think
he is kind
という二つの内容を
that がつないでいる
のです。
that は意味より構造を作る言葉
that は
「〜ということ」
と訳されることがあります。
しかしこれは日本語として自然にするための訳であり、
英語の構造としては
文をつなぐ働き
をしている言葉です。
つまり that は
意味を強く持つ言葉というより
文の構造を作る言葉
だと言えます。
中学校英語では I think that から導入される
中学校の英語の授業では、that節は多くの場合
I think that ~
という形で導入されます。
例えば
I think that he is kind.
I think that this movie is interesting.
I think that English is important.
この形は
「私は〜と思う」
という意見表現になるため、生徒が使いやすく、授業でも扱いやすい表現です。
そのため多くの教科書でも、that節は think を使った文から導入されることが多くなっています。
that節をよく取る動詞
that節は 特定の動詞の後ろによく現れます。
多くの場合、それは
考え・発言・気持ち
を表す動詞です。
思考を表す動詞
think
believe
know
guess
remember
understand
例
I believe that she is honest.
I know that he lives in Okinawa.
発言を表す動詞
say
tell
例
She said that she was busy.
He told me that he liked the book.
感情や判断を表す表現
hope
feel
be sure
be happy
be glad
例
I hope that you enjoy the class.
I am sure that he will come.
that はもともと「それ」を指す言葉だった
実は that という単語はもともと
「それ」
を指す言葉でした。
例えば
That is my bag.
この that は
指示語
です。
ここから英語では
「その内容」
を指す言葉として that が使われるようになります。
例えば
I know that he is kind.
この文はイメージとして
I know that fact
に近い感覚と言えます。
つまり that は
「その内容」
を指す働きから発展して
文を導く接続詞
として使われるようになったのです。
関係代名詞の that との違い
ここで注意したいのが
関係代名詞の that
です。
次の二つの文を見てみましょう。
I know that she likes music.
I know the book that she likes.
どちらも that が使われていますが、役割は全く違います。
最初の文の that は
文を導く接続詞
です。
一方、二つ目の文の that は
the book
を説明する
関係代名詞
です。
まとめると
- that節の that
→ 文を導く接続詞 - 関係代名詞 that
→ 名詞を説明する
という違いがあります。
英語では、同じ形でも
語順の中での役割
によって意味が決まります。
that節は語順を守る仕組み
学校文法では
that節=名詞節
と説明されます。
これは that節が
- 主語
- 目的語
- 補語
など
名詞と同じ場所に置かれる
からです。
しかし構造的に見ると
that節は
語順を守るための仕組み
とも言えます。
英語は
- 助詞がない
- 語順で構造を示す
という特徴を持っています。
そのため
文の構造をはっきりさせる目印
として that が使われるのです。
まとめ
that節は
that + 主語 + 動詞
という形で作られます。
学校文法では「名詞節」と説明されますが、その背景には
英語は語順が命の言語
という特徴があります。
that は
文と文をつなぎ、構造をはっきりさせる接続詞
として働いています。
この視点で理解すると、that節は
英語の構造を理解するための重要なポイントになります。


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