正直なところ、CAN-DOリストがなくても授業はできる

英語教育の現場では近年

CAN-DOリスト

という言葉をよく耳にします。

しかし正直に言えば、私自身

  • CAN-DOリストを深く理解しているとは言えない
  • なくても授業は成立しているのではないか

という疑問を持っています。

実際、多くの英語教師は

  • 教科書
  • 文法項目
  • 単元目標

などをもとに授業を設計しています。

その意味では

CAN-DOリストがなくても授業は成立する

とも言えます。

では、なぜ今
CAN-DOリストが教育政策の中で強調されているのでしょうか。


英語教育改革の中で登場したCAN-DOリスト

CAN-DOリストの議論が広がった背景には
英語教育改革があります。

日本では2010年代以降、

文部科学省
が中心となって英語教育改革が進められました。

当時、日本の英語教育には次のような課題が指摘されていました。

  • 文法中心の授業
  • 英語を使う活動の不足
  • 知識と運用能力の乖離

文部科学省の資料では

生徒が英語を用いて何ができるようになるかという観点から到達目標を設定する必要がある

と示されています。

つまり

英語を「知識」として学ぶのではなく
「使える能力」として育てる

という方向へ政策が動いたのです。


世界の言語教育とCEFR

この背景には、世界的な言語教育の枠組みがあります。

それが

Common European Framework of Reference for Languages
(CEFR)

です。

CEFRでは言語能力を

Can-Do(〜できる)

という形で記述します。

例えば

  • 自分の趣味について説明できる
  • 旅行中に必要なやり取りができる

といったように

言語能力を「できること」で表す

という考え方です。

日本の英語教育でもこの考え方が参考にされ、

CAN-DO形式の目標設定

が導入されました。


学習指導要領との関係

CAN-DOリストの考え方は

学習指導要領
とも関係しています。

現在の学習指導要領では

資質・能力

という概念が重視されています。

これは

  • 知識
  • 技能
  • 思考力・判断力・表現力

などを

実際の活動の中で活用できる力

として捉える考え方です。

この発想は

「何ができるか」

というCAN-DOの考え方と非常に近いと言えます。


CAN-DOリストの問題点

ここまで整理すると
CAN-DOリストには一定の意義があるようにも見えます。

しかし、実際の学校現場では
いくつかの課題も指摘されています。


① 形骸化しやすい

CAN-DOリストは本来

学習目標を明確にするツール

です。

しかし現場では

  • 作成しただけで使われない
  • 校内資料として保管されるだけ
  • 生徒がほとんど見ない

というケースもあります。

つまり

制度として存在していても
授業では機能していない

という状況が起こることがあります。


② 具体性が不足しやすい

CAN-DOリストは

「〜できる」

という形式で書かれるため

例えば

  • 英語で意見を述べることができる
  • 英語で会話することができる

といった表現になることがあります。

しかしこのような表現では

  • どの程度できればよいのか
  • どのような活動を想定しているのか

が分かりにくくなることもあります。


③ 教師の負担が増える可能性

CAN-DOリストは

  • 作成
  • 更新
  • 評価との対応

などが求められる場合があります。

そのため

  • 書類作成が増える
  • 作ること自体が目的になる

といった指摘もあります。

これは教育制度全体に見られる

理念と現場運用のギャップ

とも言えるかもしれません。


現場教師として感じる違和感

私自身もCAN-DOリストについて考える中で
ある違和感を感じています。

それは

「CAN-DOリストがなくても授業は成立している」

という点です。

多くの教師は

  • 教科書
  • 単元目標
  • 評価規準

などをもとに授業を設計しています。

その意味では

CAN-DOリストがなくても
英語の授業は成立する

とも言えます。


それでもCAN-DOリストを考える意味

では、CAN-DOリストは不要なのでしょうか。

現時点での私の理解では

CAN-DOリストの価値は

リストそのもの

というより

「できること」で目標を考える視点

にあるように感じています。

例えば

従来の目標

現在完了形を理解する

CAN-DOの視点

自分の経験について英語で伝えることができる

このように考えることで

授業のゴールが

知識の習得

ではなく

言語の使用

に近づく可能性があります。


CAN-DOリストが機能する条件

もしCAN-DOリストを活用するなら
次のような条件が必要なのではないかと感じています。

① 授業と結びついていること

リストが単なる資料ではなく

授業のゴールとして機能していること

が重要です。


② 生徒が理解できること

CAN-DOリストは

教師のための資料ではなく
学習の目標

です。

そのため

生徒が理解できる形で示す必要があります。


③ 評価とつながっていること

CAN-DOリストが

  • スピーチ
  • プレゼンテーション
  • ライティング

などの活動と結びついていると
より意味を持つ可能性があります。


まだ整理の途中

この記事は

CAN-DOリストを完全に解説する記事

ではなく

自分自身の理解を整理するための入門編

です。

英語教師として

  • CAN-DOリストは本当に必要なのか
  • 授業でどのように活用できるのか
  • パフォーマンス評価とどう関係するのか

まだ十分に整理できているとは言えません。

ただ、こうした疑問を持つこと自体が

英語教育を考える出発点

なのかもしれません。

今後は

  • CAN-DOリストの具体例
  • 授業での活用
  • パフォーマンス評価との関係

についても整理していきたいと思います。


参考資料

  • 文部科学省 英語教育改革関連資料
  • Common European Framework of Reference for Languages