CAN-DOリストは本当に必要なのか

※この記事は制度の公式解説ではなく、現場教師として英語教育の考え方を整理した個人の見解です。

前回の記事では

CAN-DOリストとは何か

について、教育政策や文献を手がかりに整理しました。

しかしCAN-DOリストについて考えるとき、
多くの英語教師が感じている疑問があります。

それは

「本当に必要なのか?」

という点です。

今回は、この疑問を少し整理してみたいと思います。


多くの教師が感じている違和感

CAN-DOリストについて議論するとき、
現場の教師からよく聞かれる声があります。

例えば

  • 作ったが授業では使っていない
  • 生徒はほとんど見ていない
  • 書類作成になっている

といったものです。

つまり

制度としては存在しているが、授業では機能していない

という状況が起こることがあります。

このような状況では

「本当に必要なのか」

という疑問が生まれるのも自然かもしれません。


CAN-DOリストがなくても授業はできる

実際、多くの英語教師は

  • 教科書
  • 単元目標
  • 評価規準

などをもとに授業を設計しています。

そのため

CAN-DOリストがなくても

  • 授業は成立する
  • 学習活動は設計できる

というのも事実です。

この点だけを見ると

CAN-DOリストは必須ではない

とも言えるかもしれません。


それでも導入された理由

それでも教育政策の中で
CAN-DOリストが導入されたのには理由があります。

その背景には

英語教育の評価観の変化

があります。

従来の英語教育では

  • 文法が理解できるか
  • 単語を覚えているか

といった

知識中心の評価

が多く見られました。

しかし現在は

  • 英語を使って伝えられるか
  • 英語でやり取りできるか

といった

言語活動

が重視されています。

この変化を反映する形で

「何ができるか」

という形で目標を示す

CAN-DOリストが導入されました。


問題は「リスト」ではないのかもしれない

ここまで整理してみると
少し見えてくることがあります。

それは

問題は

CAN-DOリストそのもの

ではなく

それをどう使うか

という点かもしれないということです。

もしCAN-DOリストが

  • 書類
  • 提出物

になってしまえば

当然、意味を持ちません。

しかし

授業のゴールとして使うなら
別の意味を持つ可能性があります。


CAN-DOリストをどう考えるか

現時点での私の理解では
CAN-DOリストの価値は

リストそのもの

ではなく

授業のゴールを「できること」で考える視点

にあるように感じています。

例えば

従来の目標

現在完了形を理解する

CAN-DOの視点

自分の経験について英語で伝えることができる

このように考えることで

授業のゴールが

知識

ではなく

言語使用

に近づく可能性があります。


CAN-DOリストを理解するための参考資料

CAN-DOリストについて理解を深めるためには、文部科学省の資料や研究文献を参照することが有効です。ここでは、私自身が整理する際に参考にした資料をいくつか紹介します。


文部科学省:CAN-DOリスト作成の手引き

最も基本となる資料は
文部科学省 が公開している

「CAN-DOリストの形での学習到達目標設定のための手引き」

です。

この資料では

  • CAN-DOリストの目的
  • 学習到達目標の設定方法
  • 学校での活用方法

などが整理されています。

CAN-DOリストを理解する上で
まず確認しておきたい資料と言えるでしょう。


動画で理解するCAN-DOリスト

CAN-DOリストの具体的な作り方や活用方法については
教育関係の解説動画も参考になります。

特に

  • 学習到達目標の考え方
  • CAN-DOリストと評価の関係

などが説明されている動画は
実際の授業をイメージする助けになります。

CAN-DO形式の学習到達目標作成とその活用


CEFRという背景

CAN-DOリストの背景には

Common European Framework of Reference for Languages

があります。

CEFRでは言語能力を

「何ができるか(Can-Do)」

という形で記述します。

例えば

  • 自分の経験について話すことができる
  • 日常的な会話ができる

など、言語能力を具体的な行動として示します。

日本の英語教育でも、この考え方を参考に
CAN-DO形式の目標設定が導入されました。


次の記事で考えたいこと

ここまで整理してきましたが
もう一つの疑問が残ります。

それは

CAN-DOリストはどのように作ればよいのか

という点です。

もしCAN-DOリストを活用するなら

  • どのような形がよいのか
  • 授業とどう結びつけるのか

を考える必要があります。

次の記事では

中学校英語のCAN-DOリストの具体例

について整理してみたいと思います。


参考資料

  • 文部科学省 英語教育改革関連資料
  • Common European Framework of Reference for Languages